HOME > 記事のINDEX
/

JR西日本の車掌による車両の無線バックアップ電源のヒューズ抜き取り事件について

 2010年7月21日、JR西日本大阪支社天王寺車掌区に所属する49歳の車掌が偽計業務妨害と器物損壊の容疑で大阪府警察に逮捕された。逮捕容疑は次のとおりだ。2010年4月上旬に同社の電車の運転室に設置された防護無線の予備電源装置のヒューズを抜き取り、電車の安全運転に支障を生じさせ、同年4月から5月にかけて同社の車両に緊急点検を実施する必要を生じさせて通常の業務を妨げたというものである。
 報道によれば、ヒューズが抜き取られた電車は合わせて22両に上ったものの、これらはすべて件の車掌が乗務した車両であった。また、JR西日本は事件の再発防止策として2010年5月11日から15日にかけてヒューズを固定しているねじにシールを張って封印としたが、車掌はこの封印を破ってヒューズを抜き取ったそうだ。
 逮捕された車掌は大阪府警察の取り調べに対し、車掌としての業務が嫌で、JR西日本にも不満を抱いていたと供述している。以上から考えて、車掌には犯罪を隠す意図はあまりなく、自らの行動を通じて、自分に注目してほしいと考えていたらしい。率直に申し上げて、中学生や高校生が学校で非常ベルを押してみたり、消火器を噴射させるといったいたずらを働くのと同レベルの行為だ。安全性が損なわれるという点で非常に悪質な犯罪ではあるが、動機については割合単純で、青春時代の苦い記憶とともに思い起こす方も多いことだろう。
 車掌であれば、防護無線の予備電源装置のヒューズを抜き取ることは列車事故の際に致命的な結果をもたらすことなど容易に想像できるはずだ。というよりも、だからこそ抜き取ったのだとも言える。今回の事件は言語道断で、本来ならば何も言うべきことはないのだが、逮捕された車掌の「心の暗闇」を解明することで、今後同様な不祥事を防ぐことができると期待したい。


search this site.