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エアセクションでの架線溶解について(速報)

 2007(平成)年6月22日(金)午前7時55分ごろ、JR東日本東北線さいたま新都心-大宮間で架線の切断が発生。宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、京浜東北線、埼京・川越線の列車が長時間にわたって立ち往生してしまった。長い間列車に閉じ込められて体調を崩された方々や、通勤、通学などの足を奪われて迷惑された方々にお見舞いを申し上げます。
 架線が切れた原因はエアセクションで列車が停車し、パンタグラフによって短絡されたために火花が散り、架線が溶解してしまったからだ。JISE2001の番号5213によれば、エアセクションとは「電車線(筆者注、架線)の隣接区間の端末をしかるべき長さでオーバーラップさせて形成された区分点。パンタグラフは両電車線下を短絡走行でき,絶縁は二つは電車線設備間の適切な間げき(隙)のエアギャップによって確保される。」と定義される。
 JR東日本によれば、エアセクションの短絡による架線の溶解は過去10年間で12件発生しているという。同社のように高密度で列車が運転される路線では運転士に注意を求めても根絶はできないと思われる。かといってエアセクションに取って代わる方式も見当たらない。
 エアセクションをニュートラルセクション(「電圧及び位相の異なる隣接区間が集電装置の通過によって互いに短絡されないようにした両端にき電区分点を備えた電車線の一区間。」JISE2001の番号5214)に置き換えてはどうかとも考えられる。だが、編成の両端のパンタグラフで隣接する2つの電車線を短絡させてしまえばそれはそれで問題が生じてしまう。1両当たり2基のパンタグラフを上げて走行する直流電気機関車が車両基地内に設置されたニュートラルセクションを通過する際、片方のパンタグラフを下げ、1基だけ用いているという事例からも明らかだ。
 走行中にパンタグラフを下ろすことは無理なので、この区間では最大で15両編成分、つまり300mものニュートラルセクションが必要となる。となると、無電圧のニュートラルセクション内で立ち往生する列車が続出し、今回のケース以上の混乱を引き起こしてしまうかもしれない。そう考えているからこそJR東日本、いや他の鉄道事業者もエアセクションを撤去できないのだろう。
 今回は速報としてお伝えしたが、エアセクションの問題点については今後も調査を続けていきたい。


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