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『鉄道統計年報』



 『鉄道統計年報』とはその名のとおり、鉄道に関する統計ばかりを集めた書籍である。毎年1回の発行で項目は「1.運輸」「2.作業量」「3.財務」「4.施設・車両」「5.資材」「6.職員」「7.運転事故」「8.索道」「9.附表」から成り立つ。データは鉄道事業者や軌道経営者(以下鉄道会社)ごとにまとめられ、鉄道について深く知るためには欠かせない1冊である。
 本書のデータはすべて法規に基づいて鉄道会社が国土交通省に報告したものだ。関係するものをざっと挙げると、鉄道事業法第五十五条、鉄道事業等報告規則、鉄道事故等報告規則、鉄道事業会計規則、軌道法施行規則第三十五条、軌道事業の営業報告書及び実績報告書の様式を定める告示、軌道事故等報告規則となる。
 2006(平成18)年6月時点での最新版は平成15年度版だ。この版からは「9.附表」欄に「(24)JR旅客会社運輸成績表(延日キロ、人キロ、平均数」が掲載されるようになり、JR各路線の詳細なデータを知ることができるようになった。特に興味深いのは旅客輸送密度(旅客営業キロ1km当たりの1日平均旅客輸送人員)という名でおなじみの「平均数」だ。全国一はJR東日本山手線(品川-田端間)の98万8377人で、最低は同じくJR東日本岩泉線(茂市-岩泉間)の85人だと判明する。
 余談だが、かつて国鉄一の赤字路線として名を馳せた美幸線(美深-仁宇布間)の旅客輸送密度は82人(1977年度〜1979年度の平均)。美幸線は1985(昭和60)年9月17日にバスに転換された。国鉄亡き後のJRにもこの路線とほぼ同等の閑散路線が存在しているのだ。
 残念ながら、本書に掲載されているデータにはつじつまの合わない部分や誤りが各所に見受けられる。筆者はそのつど、国土交通省や鉄道会社に問い合わせているが、そうした個所の多くはごく単純なミスによって生じたものだった。法規に則って報告や集計が行われているのだから、正確なデータを提供してほしいものだ。
 いままでの例からいうと、平成16年版は2006年7月ごろの発売となる。政府資料等普及調査会のページ(http://www.gioss.or.jp/index.html)からも購入可能なので、この機会にぜひともご一読をお勧めしたい。

『平成15年版 鉄道統計年報』、政府資料等普及調査会、2005年3月。定価:6300円。

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